子どもの創造性を伸ばすために大人が心がけたい5つのこと
—専門家のアドバイス—
1.「“つ”のつくうちは神の子」の心持ちで
ひとつ、ふたつ、みっつ……ここのつ。古来から、かぞえに「つ」がつくうちは、子どもは神様が育ててくれるとされていて、大人はあまり介入しないほうがいいと言われています。
お絵かきや工作も同じ。子どもたちの自由な発想にまかせましょう!
2. 同じように描けなくてOK!
大人は見たものと同じように描けることを、じょうずな絵と思いがちですが、それは産業界で役立つかどうかの能力の判定でしかありません。同じように描けなくても、ノープロブレムです!
3. 上手下手で評価しないで
大人が絶対にやってはいけないのは、上手、下手という評価の仕方です。それは大人にとって都合のいい上手下手でしかありません。ややもすると子どもたちの心の回路を閉じてしまうことになりかねません。大人もかつては子どもでした。自分の中の子どもを呼び覚まして、その絵を見てみましょう。
4. 「何を描いたの?」と聞かないで
私たち大人はどうしても言葉にしないと気が済まないところがあり、つい「何を描いたの?」と聞いてしまいがちです。でも、これはNG。言われた子どもたちは、言葉にできる何かを描かないといけないと思い込み、その繰り返しは感性を司る右脳の力をどんどん弱めてしまいます。大人も子どもも言葉に負けないで!
5.表現する機会をたくさん与えましょう
お絵かきなどの表現活動は、心の中にあるものを外に出すことができる大切な機会です。子ども達は表現したものを通して、自分の存在を確認することができ、それが情緒を安定させることにつながります。人の成長にとって大事なのは情緒の安定です。子ども時代に表現活動を通じて心の回路を開き、どう表現するのかを自分で判断することは、主体性を養うことにもつながっていきます。大人はぜひその機会を作ってあげてください。
お話/井上義教さん
1949年生まれ。アトリエ太陽の子、太陽の子芸術教育研究所主宰。1979年に「アトリエ太陽の子」を設け、横浜市を中心にアトリエ活動を開始。1983年、「主婦の友アトリエ太陽の子」主宰者に就任、現在に至る。2013年、聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター内キッズアートプロジェクトハウスにて、キッズアートプロジェクト「えのぐはともだち」を実施。翌年には東京都中央区後援の「第8回銀座柳まつり」(同実行委員会等主催)にて、Kids Road Art Project「コドモあいらんだ〜銀座」をプロデュースするなど、幅広く活躍中。